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カステルバジャックが語る新生ベネトンとは?

CASTELBAJAC × BENETTON

ミラノファッションウィークにて初のショーを行ったベネトン。昨年10月にアーティスティックディレクターに就任したジャン=シャルル・ド・カステルバジャックによる初めてのコレクションは「Rainbow Machine」がテーマ。そのカステルバジャック本人が新生ベネトンについて熱く語ってくれました。

フルバージョンはこちらから

https://youtu.be/nZyhrS-xnzo

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みんなが大好きな“色”を使い、誰しもが買えるファッションを

ニット工房を会場の真ん中に設営し、作業する職人達の周りを囲むように作られたランウェイ。そこをブランドロゴやカートゥーンキャラクターなどのモチーフを生かしたベネトンならではのスポーツシックなアイテム達が、コレクションのテーマである“レインボー”のようにカラフルな原色のカラーパレットで登場。それはカステルバジャックが、「色は自由や楽しさの象徴であり、万人が共通して愛するモノだ」と考えるからです。

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「今回、私が念頭に置いたのは“ソーシャル”=人でした。SNSによってファッションはより身近になりましたが、実際には誰しも買えるわけではありません。でもベネトンとのコラボによって、高品質でクリエイティブなものを手の届く価格で提供したいと思ったのです。みんなが愛するカラフルな色にこだわり、ショーのセットには工房を作って普段は表に立たない職人達に光を当てて、そこで働く人やベネトンの物作りにスポットを当てたのにはそんな思いがありました」

CASTELBAJAC
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ベネトン色とカステルバジャック色が同時に色濃く出たコレクション

1968年には母のアパレルブランドのためにデザインを始め、1974年には自身のブランドを設立、それと並行してさまざまな有名ブランドにデザインを提供してきたカステルバジャック。今回のベネトンへの参加は、長年付き合いがあったルチアーノ・ベネトンが同社の経営に復帰したのがきっかけだと言います。「私とベネトンは同じストーリー、同じ哲学を持っているんです。それは双方とも色を愛するエモーショナルなDNAを持つということ、そしてファッションではなく、スタイルを提案しているという点でね」

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今回のコレクションはまさにベネトンらしくあると同時に、カステルバジャックらしいものでもありました。それを象徴するのが、カルテルバジャックが80年代後半に作ったテディベアのコートを羊で再現したようなピース。ニットメーカーから始まったベネトンの歴史を反映し、またクロコでもなくフォックスでもない、平和的な役割を果たす羊を使っています。カートゥーン使いはカステルバジャックのお得意ですが、これらのキャラをアイロニックに使ったところがベネトンのエスプリと呼応しています。

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今後のスペシャルなコラボを予期させるベネトンとの一体感

そんなベネトンとの関係について、「私はいまやパリには1ヶ月に一週間しかおらず、多くの時間をベネトンで過ごしているので、もはやほとんどイタリア人です。せっかく始めたギターも時間がなくてちっとも練習できなくなってしまいました(苦笑)」とカステルバジャックは冗談交じりに話しますが、1965年から続くベネトンの歴史をリスペクトし、ルチアーノ・ベネトンやオリヴィエーロ・トスカーニとのコラボをファミリーのような関係だと思っているとか。ルチアーノの責任感やオリヴィエーロのコミュニケーション力には全幅の信頼をおいているといいます。

ジャン=シャルル・ド・カステルバジャック、ルチアーノ・ベネトン、オリヴィエーロ・トスカーニ

左から、ジャン=シャルル・ド・カステルバジャック、ルチアーノ・ベネトン、オリヴィエーロ・トスカーニ

そんなカステルバジャックにとって、今回の“レインボー”というテーマには哲学的な意味も含まれています。曰く、「登っていく部分もあり、降りていく部分もある虹というのは人生の始まりと終わりを意味しているものだと思っています。でも人生の終わりはパラダイスへのスペシャルなハイウェイのような長い道でもあるのです」。その言葉は今始まったベネトンとのコラボレーションにおいて、これからもスペシャルなことが起こることを予期しているかのようでした。

関連動画「WALKING ON THE RAINBOW」はこちら

※カステルバジャック監修のコレクションは2019年7月から展開予定

STAFF CREDIT

Photo: Roberto Giussani Interview&Text: Miki Tanaka

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